名古屋の弁護士のブログ

守秘義務に反しないよう、受任事件とは関係ないことについて雑記するブログです。

新型MacBook Airを弁護士業務に数日使った感想とWindows機との併用環境

新型MacBook Airを購入しました。このブログも早速MacBook Airで書いています。

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私の業務用のメインPCは自宅でも事務所でもLet's noteでしたが、しばらくはMacBook Airを事務所の業務用メインに使ってMacが弁護士業務に耐えられるか色々試してみよう思います。

使用6日目の感想としては、MacBook Airを買ってよかったです。

が、実用性の点ではWindows機からの移行のメリットははっきり言ってほとんどないです。まだ使いこなせてないだけかもしれませんが、長く使ってもたいして評価は変わらないと思います。

もともと分かっていたことですが、Macは弁護士業との相性が悪いです。特に士業向けのシステムを導入している場合は絶望的に相性が悪いはずです。

また、まだしばしば使われている一太郎のファイルが読めないという問題もあります。ただ、積極的に一太郎を使っていきたい人以外はこちらはほとんど問題ないでしょう。文書ファイルを一太郎ファイルでしか送ってこない人は少なくとも私の周りにはもういません。

Macを使うメリットは圧倒的な外観のかっこよさです。これに魅力を感じないなら弁護士業務でMacを使うメリットはほぼないと思います。

目次

MacBook Air 本体の使い心地

私は事務所や自宅では、ノートPCを外部ディスプレイ、キーボード、マウスに接続してデスクトップ的に使っているのですが、MacBook Airはそのままの状態で使いたくなるくらい本体の使い心地がいいです。

まずディスプレイがRetinaなので非常にきれいです。画面が断然大きい24インチの外部FullHDディスプレイよりきれいなので、外部ディスプレイに繋ぐと画質が劣化したように感じます。おかげで4kディスプレイが欲しくなりました。難点は光沢液晶なので写り込みがちょっと気になります。

意外だったのがキーボードの使い心地。あまり期待していなかったのですが、個人的には別途使っているLet's note、ZenBookより速く打てる感じがします。Windowsとのキーボードの違いは最初はとまどいますがすぐに慣れました。

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薄いキーボードが苦手な人は使いづらいかもしれません。

Touch IDは評判どおり便利です。デスクトップ化しちゃうと使う機会がなくなるのが残念です。

Macユーザーからはトラックパッドが便利だという話をよく聞くのですが、これはWindowsのノートPCでも同等の機能は既にあるので特に感動はなかったです。Windows10の登場によりこの点のMacの優位性は弱まりました。

重さは1.25kgとモバイルPCとはいいがたい重さですが、厚みがないためさほど気になりません。13インチのノートPCとしてはサイズ感はコンパクトな方だと思います。さっそく外出時に持ち運んでいますが、大きめのビジネスバッグに入れる分にはさほど重さは気になりません。ただ、旅行のときとかに持ってきたいかといったら、それはちょっとためらいます。プライベートの外出のときはより軽くて小さいZenbook3やタブレットになりますね。

デスクトップ環境の構築

普段は主にLet's noteをデスクトップPC化して使っていたのですが、Macを併用して使うために外部機器を一新しました。

まず外部ディスプレイは以前もご紹介したDellのP2419HCを使用しています。コスパがいいのでMacユーザーではなくてもお勧めです。

www.nagoben-l.com

MacBook AirにはUSB-C、Let's noteにはHDMIで接続しています。MacBook Airの方はここから電源を供給できるのが便利です。 

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MacBook Airはこの状態で充電中、画面の切り替えはディスプレイ側で可

 マウスとキーボードはロジクールのM590 K780にしました。

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MacBook Airを買った時のポイントでほぼ買えちゃいました。

Mac、Windows両方に対応で、一度設定してしまえば、マウス、キーボードをMacBook Air、Let's noteにそれぞれ切り変えが可能です。ロジクールフロー機能を使って複数ディスプレイの感覚で両PCを行ったり来たりしたり(機種を切り替えるのにボタンを押す必要すらない)、ファイルやコピペの共有もできます。これが思いのほか便利でした。

Logicool Flow - 複数デバイスのコントロールと簡単なファイル共有。

接続はUSBレシーバー、Bluetoothいずれでも可能です。Macbook Airの方はK780をBluetoothで接続するとUSキーボード扱いになってしまうという謎仕様(不具合?)があります。そのため、Macbook Airに接続するマウスだけBluetooth接続にして、後は全てUSBレシーバーを使っています。

USBレシーバーを使うときはMacBook AirにはUSB-A端子がないので、ディスプレイ側の端子を使います。これもP2419HCの便利なところです。他にもUSBメモリとかも使えますし、USB-Cへの変換アダプタなしにiphoneの接続・充電も可能です。USB-C端子しかないMacBook Airには重宝します。

また、買ったときは全く意識してなかったのですが、K780についてるタブレットやスマフォのスタンドが意外に便利です。

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ディスプレイのUSB端子からiphoneの充電や接続が可能

複合機の設定

業務上、一番心配だったのは複合機との相性でした。

事務所の複合機はリコーのものを使っているのですが、特に支障なく使えています。

モノクロ、2色(モノクロ料金で一部カラー印刷できる機能)、カラー印刷ともに問題なしです。スキャンしたデータをMacBook Airの方に共有する機能も問題なく使えています。

印刷設定はWindowsの方が使い慣れている分、Windowsの方が使いやすいですが、一度設定が完了してしまえばさほど問題はないです。

Microsoft Office

Officeソフトは業務にかかせないので、MacBook Airの購入に合わせてOffice 365 Businessを契約しました。

「機能はそのままに」とうたっていますが、使い勝手にちょっと違いがあり、慣れが必要です。

とりあえずwordで書面を何通か作成しましたが、互換性も含めて今のところ問題はなさそうです。

Mac版

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Windows版

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微妙な違いがあります

判例データベース等の閲覧

弁護士業務に必須の判例データベースですが、判例秘書、westlawは今のところ問題なく閲覧できています。

*追記

判例秘書の最高裁判例解説はインターネットエクスプローラーしか対応しておらず、だめでした。

 商事法務のデータベースは対応していないようで、ログインはできるのですが、PDFが閲覧できません(ダウンロードしても駄目)。商事法務のデータベースを使いたいときはWindows機に切り替える必要があります。 

Macでできないこと

私の仕事の中でMacで対応できないのは、上記一部データベースの閲覧の他は、電子内容証明郵便と会計ソフトです。会計ソフトはクラウド会計ソフトに切り替えれば対応可能ですので、いろいろと試し中です。

電子内容証明郵便を利用するには現状、Windows機を使うかMacにWindowsをインストールするしかありません。もっとも、外出時に電子内容証明郵便を発送しなければならないことはそうそうありません。Windowsをインストールするまでしなくとも、事務所や自宅にあるWindows機で対応できます。

Macでしかできないこと

iphoneとの連携はMac特有の機能です。AirDropは便利ですし、iphone側を触らなくてもテザリングが使えるInstant Hotspotは実用性が高いです。出先でiphoneを触ってインターネット共有オンにする作業ってなんかスマートじゃない感じがしていましたが、Instant Hotspotで解決です。

他には、特にMacじゃなきゃだめだーっていうのは弁護士業務ではなさそうです。

Macにしてよかったこと

MacBook Airを使用することでマンネリ化していたPC利用に刺激が加わりました。

今のWindows機って長年のWindowsユーザーからすると非常に便利で、ほとんど何も調べたり考えなくてもすぐ使えちゃいます。

私はダイヤルアップ接続の「ピーヒョロロロ〜」の時からPCを使っているのですが、当時はネットに繋ぐまででも一苦労で、初めて繋がった時は感動したものでした。今のWindows機ってそういう苦労は全然なくて、PCを使っていても「やったー!できたー!」という面白さが全然ありません。

Macを最初に使った率直な感想は「不便だな、失敗したかな」というものでした。でも、色々調べたりして不便さが解消できたり、むしろ便利な方法を見つけることができたりするとPCを初めて使った時のような楽しさを感じることができました。

今後使ってくうちにも色々とできないことが発生すると思うのですが、それを解決する喜びみたいなものを得られるのではないかと期待しています。ただ、これは完全に自己満足の領域ですね。

結論、買ってよかったがWindows機は手放せない

ほとんど自己満足の部分が大きいですが、結果的にMacbook Airを買ってよかったです。

でも、Mac一本で仕事をこなせるかというとちょっと無理がありそうです。MacにWindowsをインストールすればできないこともないと思いますが、それだったら最初からWindows機を使えばいいよねってことになっちゃいます。

そもそも仕事用のPCが1台しかないというのもリスキーなので、Macをメインで使う場合でもWindows機は別途持っておいた方がいいと思います。

個人的にはWindowsじゃなきゃダメだという状況を減らしていきたいので、今後はMac、WindowsのPCを交互にでも買ってこうかなって考えてます。